都築響一の代表作にして90年代を代表する名著。
発表は1993年。(本書は1994年3刷)
編集者としての活動の傍ら本格的に自ら撮影を行い、初めての写真集を発表したのがこちら。
50ccのカブで東京を走り回って撮り下ろしている。
90年台初頭の都市生活者の空気が濃厚に現れている。
文庫版が普及していますがここはやはりハードカバーで持っておきたいところ。
一日中見ていても飽きません。
"「和風」の伝統美を極める写真集、クールな現代建築を逐一カバーする大判の作品集、スタイリストがきれいにまとめたインテリア・デコレーション雑誌、飽きるほどたくさんの「日本の空間」を扱った印刷物が本屋に並んでいる。でも、どれからも、そこに実際に暮らす人間たちの気配は感じられない。なぜならそれは、人間の生きる場所としての空間の記録ではなくて、建築家なり写真家なりの作品、あるいは商品の巧妙なプレゼンテーションにすぎないからだ。さらに言えば、そんな写真のように住んでいる人間はまずいないからだ。"(序文より)
著者:都築響一 デザイン:西岡勉 出版社:京都書院 1994 3刷 ハードカバー 25.4 x 25.2 x 3.4 cm 375p
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