世界のアーティストを訪ね、彼らの日常を綴るビジュアルジャーナル「knock」。
デザイナー・フォトグラファー西山勲さんが独りで現地を訪れ、取材をし、筆を取っています。
1年ぶりの第7号は北アフリカのモロッコ、チュニジア、エジプト。
チュニジアで起こったジャスミン革命はまだ記憶に新しいところ。
「植民地時代を経て、独立や民主化運動を経験し、テロや移民の問題を抱える土地でアーティストたちが世界をどのように捉え、向き合っているのか」(西山勲)
個人的にはモロッコの写真家ヒシャム・ベノフードの作品「教室」に目を奪われました。
ありきたりな授業に生徒はもちろん教師であった自分も退屈していたところ、カメラを子どもたちに向けると表情が明るくなったそうです。それぞれを俳優と舞台監督に見立てた劇場のようなモノクロ作品は惹きつけるものがあります。
「私にとって芸術とは、ちょっと大げさに思えるかもしれませんが、この世界にある暴力的とも言える問題に立ち向かうために必要な手段なんです。」(ヒシャム・ベノフード)
芸術家たちの日常と現場に立ち、彼ら彼女らの視点をありのままに誌面に投影した素晴らしい雑誌です。
制作、製本過程を含めてインディペンデント・マガジンの楽しみが凝縮されています。
収録アーティスト
Mo Baala / Khadija El Abyad / LRNCE / Hicham Benohoud / Yesmine ben Khelil / Hela Lamine / Beya Khalifa
著者・発行:西山勲 2019.8 A4横型 変形版(W250×H210mm)160p フルカラー/ソフトカバー 2000部限定
新刊書籍