『1928年生まれの祖母と、1990年生まれの孫。
宮崎県の田舎町で毎日繰り返される小さな家族のささやかな生活は、
ある日突然、思いもかけない形で結末を迎える・・・・・・・。』
”THE ABSENCE OF TWO (二人の不在)"は写真家・吉田亮人さん自身の祖母と従兄弟を被写体にした写真集です。
家族の出来事を111部限定で私家版写真集として制作し、またKYOTOGRAPHIE京都国際写真祭2017での展示を経て、大きな反響を呼び、本書は誕生します。
物心ついた頃から祖母の家にいたという従兄弟は成人し、大病を患った祖母を看病するため共に暮らしていた。食事、排泄、風呂、あらゆる面倒を見ながら、時には喧嘩もしながら。
吉田さんはその生活を、その幕が閉じるまで約3年間撮り続けました。
その記録がここに収められています。
この本を見て閉じた後、どう感じるか、受け止めるかは恐らく読んだ方人それぞれでしょう。
吉田さんの写真から投げかけられた波紋はそれぞれの形をしながら、しばらく静まることはないでしょう。
人が生きることの意味を強く問いかけてくる作品です。
そして写真の持つ強度を改めて思い知らされました。
どんな映画や小説でも表現出来ない物語を提示しています。
著者:吉田亮人 出版社:青幻舎2019 188mm × 258mm / 140P / コデックス装
新刊書籍