八時十五分になりました。
リバーサイド・ドライブの教会では黙祷をささげている時刻です。
わたしは台所で玉ねぎを刻んでいます。
涙が出てとまりません。
一九四五年八月六日、
八時十五分は広島に原爆が落とされた時刻です。
わたしは台所でひき肉をこねています。
これからハンバーヅを作ります。
(八時十五分より)
音楽家友部正人の詩集。
ニューヨークで暮らしていた頃に書かれたものをまとめたもの。
歌が、詩が、海を越え、故郷を越え、どこまでも伸びていくのを感じる。
三方金加工、本文は7つの紙でナナロク社というところは何という本を作るのだ、とナナロク社を意識した初めての本かも知れない。
大宮エリー、御徒町凧、滝口悠生、谷川俊太郎、銀杏BOYZ 峯田和伸、本谷有希子、森山直太朗から、本書へ言葉を寄せた別紙付
著者:友部正人 装画:鈴木いづみ 装丁:大島依提亜 出版社:ナナロク社 2015 初版 ソフトカバー B6変型 PUR製本 112p
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