全米図書賞受賞、ピュリッツァー賞最終候補。天才パワーズの代表作
愛する人があなたを別人だと言い出したら。
マークが、事故に遭った。カリン・シュルーターはこの世に残ったたった一人の肉親の急を知らせる深夜の電話に、駆り立てられるように故郷へと戻る。カーニー。ネブラスカ州の鶴の町。繁殖地へと渡る無数の鳥たちが羽を休めるプラット川を望む小さな田舎町へと。頭部に損傷を受け、生死の境を彷徨うマーク。だが、奇跡的な生還を歓び、言葉を失ったマークの長い長いリハビリにキャリアをなげうって献身したカリンを待っていたのは、自分を姉と認めぬ弟の言葉だった。「あんた俺の姉貴のつもりなのか?姉貴のつもりでいるんなら、頭がおかしいぜ」カプグラ症候群と呼ばれる、脳が作り出した出口のない迷宮に翻弄される姉弟。
圧倒的な筆力とボリューム。ただただ圧倒されるがままに読みつくしかない。
著者:リチャード・パワーズ 訳:黒原敏行 出版社:新潮社 2012.9初版 ハードカバー 640p
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