『手首に剃刀を当てる。まるでペンで描くように、ゆかの手首に赤い線がついていく。
あくまで「取材にきている」ということを思い出し、シャッターを切った。
おかしな空間におかしな時間が流れているように感じた。』
フランス、ドイツ、日本など世界で活躍する写真家、岡原功祐が2005年から始めたプロジェクト。
さまざまな経験を背負ってきた5人の女性たちの自傷行為をめぐるフォト・ドキュメンタリー。
「居場所」を求める女性たちとの対話を重ね、シャッターを切る。
彼女たちとの出会いや取材中に起こった出来事を綴る。
全く他人の写真家と会話をすることで彼女たちが見つめ直す自分。
「同じように苦しんでいる人たちの役に立ちたい」
そんな想いがひとつの形となったのがこの本です。
※本書は6年間の撮影後、手製本がIbasyo Book Journey Projectとして世界中を貸本として巡り、設けられた空白のページに多くの寄せ書きを載せて戻ってきた経緯があります。
彼女たちの存在に光が当たるようにこの本が多くの人の手に届けば幸いです。
著者:岡原功祐 出版社:工作舎2018 ソフトカバー 370p
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