1973年に発行された三木卓の第一小説集の復刻版。
三木卓についてはどこから紹介すればいいのか。
詩集「東京午前三時」でH氏賞受賞、「わがキディ・ランド」で高見順賞、小説では「鶸(ひわ)」で芥川賞、「路地」で谷崎潤一郎賞、「K」で伊藤整文学賞など数々の賞を受賞しています。
そして何と言っても児童文学の翻訳も有名で、アーノルド・ローベルの一連の作品、特にがまくんとかえるくんの「ふたりはいっしょ」シリーズでご存知のかたも多いのではないでしょうか。
小説では一貫して男女の性を題材に書いてきました。
本書では芥川賞候補作となった「ミッドワイフの家」、そして「巣の中で」「炎に追われて」を収録。
童貞の苦しみ、インポテンツ、異性への畏怖、情欲、男女の機微が濃厚に描写された傑作群。
ひとり出版社「水窓出版」の第一弾作品。
著者:三木卓 装幀:コバヤシタケシ 装画:柳智之 出版社:水窓出版 2018 ハードカバー 305p
新刊書籍