自身の絵本「ルリユールおじさん」が出来るまでを綴った手紙形式のエッセイ。
パリのカルチェ・ラタンを訪れた絵本作家は裏通りで小さな窓越しに見えた古い本の山と老人の姿を発見します。
糸と針を持った老人は服を編んでいるのではなく、本を作ったり修復したりしているのでした。
異国のどんな風景よりも人々よりもその窓から見える老人の姿に感動し、作家はそのアトリエを訪れるようになるのでした。
スケッチと瑞々しい感動に溢れた文体で書かれた手紙です。
著者:伊勢英子(いせひでこ) 出版社:平凡社 2007 初版 ハードカバー
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