"虚心に過去を省みれば、よりよい政治や外国との関係を築けるはず――そうした「幻想」は、どのように壊れていったか。東京五輪や三島事件にまで遡り、安倍長期政権やトランプ登場をもたらした「もう歴史に学ばない社会」の形成をたどる。"
著者の「知性は死なない」(主題は「どうして知性は社会を変えられず、むしろないがしろにされ敗北していったのか。」)という本を偶然手にして、病気になりながらも自身への批判も含めたその言葉に惹かれ、この本が出るのを楽しみにしていた。
SFで有効に使われる「あの選択をしていれば、あったかも知れない世界」あるいは「世界にifがあれば」
歴史のその地点まで戻り、他の可能性もありえたと考えるのは荒唐無稽だろうか?
日本の歴史を辿りながら現在の政治と対比し、中国との関係にも触れ、新しい時代の指針を考える。
著者:與那覇潤 出版社:亜紀書房 2019.10 ソフトカバー 392p
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