歴代最多の六度、芥川賞候補にあがった多田尋子の小説集、三十年ぶりの復刊。
「多田さんの小説は古風だ。古風ではあるけれども、決して古びることはない。人と人との微妙な関係、人生の機微が温もりのある繊細な文章で綴られていて、読み終えるのが惜しいほどだ。」(発行人:書肆汽水域 北田博充)
相手との埋められない距離、愛おしい温もり、自由と表裏一体の孤独、、
つまり、そういった、恋愛とはどういうものだったか、記憶を辿るのも面倒な歳になって来たけれど、この本を読んでいたらぞくぞくと背中が震えてきたから不思議だ。恋愛小説とはこういうものか、と舌を巻いた。
1.体温(「群像」1991年6月号)
2.秘密(「群像」1992年10月号)
3.単身者たち(「海燕」1988年11月号)
本人あとがき
著者:多田尋子 カバー写真:馬場磨貴 装幀:中原麻耶 出版社:書肆汽水域 2019 ハードカバー
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