びろう葉帽子の下で
じゃがいもを 掘る
びろう葉帽子の上には
みっしりと夏の陽が 照りつけているが
びろう葉帽子の下では
静寂浄土が 広がり
じゃがいもが 掘られている
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1987年に刊行された詩集『びろう葉帽子の下で』の増補新版。
『火を焚きなさい』『五月の風』と並ぶ新版三部作の最後の一冊です。
「歌のまこと」「地霊」「水が流れている」「縄文の火」「びろう葉帽子の下で」と題された、全 5 部 247 篇。
1977年に東京から屋久島へ移り住んでからの10年間に書き留めた言葉。
山尾三省の代表作、
装画・挿画は引き続きnakaban。
序文を文化人類学者の今福龍太。
別冊栞
『びろう葉帽子の下で』に寄せて 手塚賢至
『鋏を手に、詩人を想った日』 nakaban
著者:山尾三省 出版社:野草社 2020 四六判上製 376p
新刊書籍