『復興・帰還は進んでいるが、「状況はコントロールされている」という宣言が覆い隠す、避難している人びと、被災地に住まう人びとの葛藤と苦境を、私たちは知らない。』
著者は広島生まれ、福島県いわき市で夫と植木屋を営む。
その日を境に日常が一変する。
放射線量を測定する日々の中で出会った人々、光景。
人も景色も時間を経つにつれ変わっていくが、全てを奪った海はいつも変わらずにそこにある。
広島から福島、そしてチェルノブイリ。
水面下の海のような驚く程静謐な文体で綴られた原子力のもたらした亀裂と断層の記録。
著者:安東量子 出版社:みすず書房 2019.2 初版 ハードカバー 287p
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