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ハンセン病療養所と自治の歴史

発病によって隔離され、それまでの生活を失った人びとが人間や社会のあり方を問いつづけながら、身近な場所をよりよい世界に変えようとした百年の軌跡。

隔離された人々を人生が損なわれた「被害者」として括るのではなく、実際に療養所で過ごしたそれぞれの人生があること、そして療養所に入所した人々が管理される立場でなく自治会活動を展開し、実践していた歴史的事実に目を向けること。
この自治会活動が戦後の社会の民主化、社会復帰していく土台、国会賠償請求訴訟に繋がっていく。
本書の舞台は岡山県瀬戸内市の長島にある二つの療養所。邑久光明院と長島愛生園。
この小さな生きのびるための共同体が現代社会に与える教訓、それらが近代日本を写す鏡のように描かれています。

著者:松岡弘之 出版社:みすず書房 2020.2 上製本 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/416頁
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