「黒人の不幸は奴隷化されたということである。白人の不幸と非人間性はどこかで人間を殺してしまったということである。…黒人であるこの私の欲することはただひとつ。道具に人間を支配させてはならぬこと。人間による人間の、つまり他者による私の奴隷化が永遠に止むこと。…ニグロは存在しない。白人も同様に存在しない。」
精神科医として、またカリブ海に浮かぶフランス領マルチニック島出身のひとりの黒人として、植民地出身の黒人が白人社会で出会う現実と心理をえぐり出す。
精神分析学的なアプローチで、黒人への内面の解放を投げかけた言葉はやはり心に迫るものがあります。
序 (フランシス・ジャンソン)
はじめに
1 黒人と言語
2 黒い皮膚の女と白人の男
3 黒い皮膚の男と白人の女
4 植民地原住民のいわゆる依存コンプレックスについて
5 黒人の生体験
6 ニグロと精神病理学
7 ニグロと認知
結論に代えて
ファノンの認知 (フランシス・ジャンソン)
著者:フランツ・ファノン 訳:海老坂武・加藤晴久 出版社:みすず書房 2020.8 初版 ハードカバー タテ188mm×ヨコ128mm 328p
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