"キム・ジヨン氏の母親だけでなく、すでに子どもを産んで育てた親戚たち、先輩たち、友達の誰も、正確な情報をくれなかった。テレビや映画には器量がよくて愛らしい子どもしか出てこないし、母は美しい、母は偉大だと繰り返すばかり。もちろんキム・ジヨン氏は責任感を持って、可能な限りちゃんと子どもを育てていくだろう。だが、感心だとか偉大だとか言われるのはほんとに嫌だった。そんなことを言われると大変だってことさえ言っちゃいけない気がするから。"
1982年生まれ、今年で33歳になったキム・ジヨン氏には過去に一体何があったのか。
誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児までを振り返る。
韓国で社会現象を巻き起こした女性のための物語、そして男性が読むべき物語。
「娘が生きる世の中は、私が生きてきた世の中より良くなっていかなければいけません」という著者の言葉は誰よりも力強く感じる。
著者:チョ・ナムジュ 訳:斎藤真理子 出版社:筑摩書房 2020初版 19刷 ソフトカバー 189p
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