しずくをひきとめる
かなしみのつぼに入れるために
かなしみをふくらます
たくさんのしずくをもち帰る
そうして集まった水は
死者をしずめるためのもの
（しずく）

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奈良在住の詩人、古井フラの詩集。
パートナーが難病を発症して10年。
無力感に包まれ、祈ることしか出来ない中、聴こえてきた静かな「声」。
信仰とはまた異なる、自身の中にある他者の声。
その「声」を聴くことで生まれた静かな詩集。

装画はパートナーによる顔彩画。
祈りに耳を澄ませてみてください。