阪神大震災の渦中に書かれたエッセイ集。
1995年9月発表
絶版
『医師として往診先の家庭に赴くときの心づもりや現場の模様をたんたんと綴った表題作「家族の深淵」、かつて下宿していた韓国夫人の思い出を主奏に、ウィルス学から精神科に転身する当時の自分と周辺の姿、さらに祖父の生き方を重ね書きした「Y夫人のこと」をはじめ、分裂病や老い、ハンガリーへの旅、ギリシャ詩について、独自の文化論でもある「きのこの匂いについて」、原稿依頼から完成までの書き手の心身の変容を細部までユーモラスに描いた「執筆過程の生理学」まで38篇。冷戦時代とともに生き、神戸に住まい神戸を愛する著者のみごとなオブジェである。』(みすず書房)
著者:中井久夫 出版社:みすず書房 2010 8刷 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm 408p ハードカバー
B(帯欠)