「1%の富裕層ではなく、「99%の私たち」のために、性差別・人種主義・環境破壊のない社会を。いまや世界中に拡がる女性たちの運動とも共鳴しながら、研究の第一線でも活躍するジェンダー学者たちが、性の抑圧をもたらす現代資本主義の終焉を呼びかける。分断を正確に認識することで、私たちはまだ連帯できる。」
性差別、人種差別の出処には「資本主義」があるのではないか。
学者ではない僕もうっすらと時々考える。
資本主義という社会の構造に疑問を向けること。
本書に書かれた宣言を読むとそのことがより明確に分かってきた。
ここにある11の項目にピンと来た方は是非読んでみて欲しい。
1 新たなフェミニズムの波がストライキを再構成する
2 リベラル・フェミニズムは崩壊した
──私たちは前に進まなければならない
3 私たちには反資本主義のフェミニズムが必要だ
──99%のためのフェミニズム
4 私たちは社会全体の危機のさなかを生きている
──そしてその根源は資本主義にある
5 資本主義社会におけるジェンダー的抑圧は、社会的再生産が利益目的の生産に従属していることに根ざしている
──私たちはその順番を正しくひっくり返したい
6 ジェンダーに基づく暴力には多くのかたちがあり、そのすべては資本主義と複雑に絡みあっている
──私たちはそれらすべてと闘うことを誓う
7 資本主義はセクシュアリティを規制しようとする
──私たちはそれを解放したい
8 資本主義は人種主義的・植民地主義的暴力から生まれた
──99%のためのフェミニズムは反人種主義かつ反帝国主義である
9 資本による地球の破壊から脱するために闘う
──99%のためのフェミニズムはエコ社会主義である
10 資本主義は本物の民主主義や平和と両立しない
──私たちの答えはフェミニスト的な国際主義である
11 99%のためのフェミニズムはすべてのラディカルな運動に反資本主義の反乱を呼びかける
著者:シンジア・アルッザ, ティティ・バタチャーリャ, ナンシー・フレイザー 訳:惠愛由 解説:菊地夏野 出版社:人文書院 2020.10 初版 ハードカバー 170p
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