綺想、ロマン主義英文学の研究者、文学批評家、そして美術品蒐集家であるマリオ・プラーツがローマで晩年を過ごした館を訪れ、ひとつひとつの部屋をめぐり、時代と人生を語る。
現在は美術館となっているその館の内部、玄関ホール、食堂、リッチ広場に面した寝室、通路の間、ルチアの部屋、大広間、プドワール(婦人用私室)には家具、絵画、蔵書と美術品が埋め尽くす。
美術品から骨董品へと様変わりするそれらと向き合い、蘇る記憶から人生を物語る。
20世紀イタリア文学を代表する類を見ない自伝的小説。
それぞれの部屋が写ったカラー口絵、室内装飾の写真、金箔の施された表紙、造本も凄まじい一冊。
目次
ジュリア通り
玄関ホール
氷の館
ある傭兵隊長の蔵書
七時間の冒険
食堂
マドモワゼル・ジェラール
ナポリの陶磁器
美しい船舶と美しい家々
ラウラ
リッチ広場に面した寝室
鏡とブルーのガラス・ボール
窓の下の酔っ払い
「二組の青い目」
通路の間
バイロンゆかりの品
祭壇
蠟の肖像
まるで魔法のように
ルチアの部屋
レティツィア
今日の画家
人形の家
ジュール=エミール・サンタン
大広間
ジュゼッピーナ・グラッシーニの肖像
室内画
詩人キーツとリージェンシー様式
ウーゴ・フォスコロの肖像
ブドワール
スペルロンガへの遠出
鐘のなかの花
著者:マリオ・プラーツ 監訳:上村忠男 訳:中山エツコ 出版社:みすず書房 2020初版 ハードカバー 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm 672p
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