雪は下から上へは降らず
下降して
そこに横たわったまま、
上昇したことは一度もない。
雪はいずれにせよ
本質的に物静かで、
喧騒のほんの跡かたすらない。
おまえも雪のようであればいいのに。
(雪)
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右ページにクレーの絵。左ページにヴァルザーの詩。
簡潔で小さなものを愛した二人の芸術家の親和性に着目し生まれた奇跡的な詩画集。
「ヴァルザーは散文によるクレーである。その繊細さ、悪戯っぽさ、神出鬼没ぶりにおいて。」
(スーザン・ソンタグ)
詩:ローベルト・ヴァルザー 画:パウル・クレー 編:柿沼万里江 訳:若林恵・松鵜功記 出版社:平凡社 2018.11 初版 ハードカバー 179p
B(帯シワ)