世界最高水準と言える(異様とも言える)日本のディスク・ガイドの充実ぶりだがソ連ジャズのガイドは今までになかったはずで、それもそのはず世界初らしい。
ソヴィエト連邦の国営レーベル、メロディヤの主要タイトルを網羅。
60年代からソ連解体まで、今までほとんど知られることのなかった巨大な国の音楽史。
ご堪能ください。
「日本フリージャズ・レコード図説」
「フリー・インプロヴィゼーション聴取の手引き」
と合わせてどうぞ。
▼目次
●オリエンテーション
—メロディヤ盤の出自・性格
—ソ連メロディヤ盤でどんなジャズが聴けるか
—ジャズ盤細分類とソ連ジャズ史対照
●第1部 ソ連ジャズ・アンソロジー
—ソ連ジャズ古事記
●第2部 ジャズ祭:1965-1989
—巨大なジャズ氷山の一角
●第3部 個人・グループ名義
—多人種・多民族宇宙のジャズ・ミュージアム
●豆知識
いまだ全貌把握の困難なソヴィエト連邦の国営レコード会社=メロディヤ(Μелодия)。一説によると400枚近くあると言われるメロディヤ・ジャズ盤の主要タイトルをほぼ網羅し、充実の解説とともに紹介する世界初のソ連ジャズ・ディスクガイド。1964年メロディヤ設立から1991年ソ連解体までの四半世紀あまり、15の共和国を有する巨大な多民族共産主義国家ではどのようなジャズのレコードが作られていたのか。鉄のカーテンの隙間から覗き見る米国のスタイルを規範としながら、いまや世界音楽となったジャズは冷戦体制下の微妙な蠢きとして多様な発展を遂げていた。「ジャズはオデッサで生まれた」と豪語したレオニード・ウチョーソフから「ジャズは死んだ」と言い放ったセルゲイ・クリョーヒンまで、レコード盤に刻まれた知られざるジャズ史。(版元より)
編:岡島豊樹 出版社:カンパニー社 2021.4 ソフトカバー 255p
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