「僕には座右の銘があって、いちばん重要なのは物語。それは作詞家だからそうだというわけじゃなくて、人生にとって重要なんだと思う。」(物語について)
「愛とは何かなんて、いままで説明できた人はいないと思う。宗教家しかいないんだよ。あと詩人。でも僕みたいに詞をたくさん書いてても、愛とは何かなんてわからない。わからないから何かいっぱい書いてる。それはゲーテだって、ホメーロスだって同じ。
詩人って職業は古くて、古代ギリシヤからずっとみんな書いてて、でもやっぱり、わけわかんないわけよね。大事なことほどわけがわからない。」(わからないこと)
松本隆にこう言われると、どこか安心する。そうか、そうだよな、と腑に落ちる。
京都の喫茶店で友人であるホホホ座の山下賢二さんに松本さんが話したこと。
人生の先輩がぽつぽつと語ったいまを生きるための言葉。
山下さんのあとがきもとても良かった。
著者:山下賢二 出版社:夏葉社 4刷 ハードカバー 117P
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