含んだり、含まれたりする身体にあなたのかたちらしき空白
細胞に色があったら あなたから伸びる光の影が虹色
髪の毛が朝日を浴びて透き通る きれいなときに見ていてほしい
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歌集『肌に流れる透明な気持ち』に続く2作目。
短歌45首、詩・散文8篇を収録。
タイトルの「腕」からして生々しくて、温かい。
肌感のある装丁も美しい一冊。
ーー「腕前」とか「腕が鳴る」って言うけど、腕って、小手先みたいなことができない、すごく実直なヤツだと思う。かたちをもち、有機的で、経験を積み、なにかを掴み、そして生み出す、寡黙な腕。絶対的なものなんてふつうに存在しない自由で軽くてふたしかな日々に、鉄のように不変で普遍的なものではなく、誰かの腕、自分の腕を信じてみたいと思うのです。(伊藤紺)
著者・発行・:伊藤紺 デザイン:脇田あすか W120×H152mm/上製本/全96ページ /表紙透明パール箔 2020 初版
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