自国第一主義による地球温暖化は終局を迎え、人類の生存域が北欧地域に限られた2060年代。グーグルによる個人データの完全な可視化は、人間から共感という能力を失わせていた。そんななか、アイスランドで暮らすトランスパランス(透明性)社の元社長が、個人データを人工的な体に移植し、不老不死を可能とする“エンドレス・プログラム"の準備を進めていた。それは、“考えること"を放棄した人類への最後の抵抗にして、ささやかな願いだった。
人々が不満に「思っていない」徹底した監視社会と地球温暖化の行く末。
現代がターニングポイントだとドゥ・マゴ賞を受賞したフランス人作家は警告する。
震えるほど冷たい革命。
著者:マルク・デュガン 訳:中島さおり 出版社:早川書房 2020初版 ハードカバー 231P
B