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女性ホームレスとして生きる 貧困と排除の社会学

「いい論文を書くので、話を聞かせてください。」
彼女は、「それが違うっちゅうんだ。いいのを書くやない。書けないかもわかりませんけど、精一杯やりますから、お願いしますって頼むんだ。それが人にものを頼むっていうことだ」と言った。涙が出た。そんな私に向かって彼女は言った。「明日から泊まりに来なさい。今日はもう帰って、ぐっすり寝て、明日は荷物を全部持って家に来なさい。何もいらないから、明日はガスボンベを持って来て。ガスもとめられてるし、お金も全然ない。ほんとはこんな姿見せたくなかったけど。」その日を境に、私は多くの時間を彼女とともに過ごすようになった。
(はじめに)

これは著者が、二年間野宿生活をしたあと、生活保護を受給してアパートで暮らしていたある60代の女性と出会ったときのこと。著者はここからこれまでほとんど語られることも研究されることもなかった「女性ホームレス」の実態を7年かけて明るみにし、その問題点を浮き彫りにしました。女性がホームレスになるメカニズム、出会った女性の固有の体験を描き出して行きます。本書は2013年に発表後、2021年に付録「貧困女性はどこにいるのか」と、岸政彦氏による解説「出会わされてしまう、ということ」を収録した増補新装版です。
第33回山川菊栄賞受賞を受賞、2020年の『現代思想』9月臨時増刊号「総特集*コロナ時代を生きるための60冊」選出。

”たくましいでもかわいそうでもなくただ、人びとの行為には、生活には、そして人生には「理由がある」のだ。
いま現在人びとがおこなっていることの理由を、人びと自身の言葉を通じて描く。
丸山里美が目指して、そして見事に成功した本が、本書である。
この本を読むと、ただもう、人びとはそこで生きているのだな、という深い感動をおぼえる。”
(岸政彦)

【目次】
はじめに
第1章 女性ホームレスのエスノグラフィに向けて
第2章 女性ホームレスとは
第3章 女性ホームレスを対象とした福祉体制の成立
第4章 福祉施設の利用とジェンダー規範
第5章 女性野宿者たちの生活世界
第6章 野宿をすることと野宿を脱すること
第7章 変化のプロセス
第8章 主体化の魔力に抗して
おわりに
付録 貧困女性はどこにいるのか
初版あとがき
増補新装版へのあとがき
解説 出会わされてしまう、ということ(岸 政彦)


著:丸山里美 出版社:世界思想社 2021.9 ソフトカバー 320p
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