『白い手』
うとうと と
眠りに落ちそうな
昼 ―
私のネクタイピンを
そっとぬこうとするのはどなたの手です
どうしたことかすっかり疲れてしまって
首があがらないほどです
ね
レモンの汁を部屋にはじいて下さい
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奈良の詩人西尾勝彦さん編集による尾形亀之助(1900-1942)の詩集です。
西尾さんはこの尾形亀之助から大きな影響を受けていることを公言していました。
夏葉社から出版された詩集「美しい街」も大きな反響を呼び、この本は現在当店の定番になっています。
定職を持たず詩に没頭し若くして亡くなった生粋の無頼派の詩が何故今読まれるのか。
じっくり急がず堪能してください。
装画は、版画家でイラストレーターの保光敏将さん、装幀をクラフト・エヴィング商會さんがそれぞれ担当しています。
著者:尾形亀之助 編集:西尾勝彦 出版社:七月堂 2021 仮フランス装/154p
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