「人類の歴史において核兵器の攻撃とその後の惨状を生き抜いてきた唯一の人々である被爆者。人生の終わりの時期に差しかかっている彼らの記憶のなかには私たちの心を奮い立たせるような、核戦争による長期の破滅的影響についての明白な事実が刻まれている」
郵便局の配達員、路面電車の運転士あるいは軍需工場に駆り出されるごくふつうの10代の若者だった5人の「語り部」たちの「長い戦後」を12年の歳月をかけて執筆したノンフィクション。
原爆を投下した側の国からやって来た著者は徹底的に被爆者に寄り添った。
筆舌し難い苦痛、差別、平和への思いを語る五人とその家族、関係者たち。また長崎の歴史やアメリカ軍兵士・指揮官の手記、原爆に関する公文書資料にも触れ、「このうえない歴史書」になっている。
著者:スーザン・サザード 訳:宇治川康江 出版社:みすず書房 2020.12 4刷 ハードカバー449p
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