女性の自立と芸術的向上心にトーベはこだわった。何よりも大切なのは自由な芸術家であること。人として自由で、誰にへりくだることもなく生きることだ。戦争の間、絵を描くことと恋愛にまつわる問題に何度も直面したトーベ。そのつど、自分の未来の青写真は、はっきりと見えていた。「画家になるのだ、画家に」。トーベにとって自由とは、いつでも一番大切なことだった。(本文5章より)
“ムーミン"の原作者であり、画家、イラストレーター、小説家…と多才に活躍した芸術家、トーベ・ヤンソンの決定版評伝。
10代でのイラストレーター・画家としてのキャリアスタート(以後、亡くなる直線まで働き続ける)、戦争、ムーミンの誕生、名声とのジレンマ、恋、家族と自然への愛情。
著作はもちろん、残された手紙や手記、ノート、資料、写真から私的な記録を閲覧することを許された唯一の研究者が浮かび上がらせたトーベ・ヤンソンの生涯。
挿絵、写真多数掲載
著者:ボエル・ウェスティン 訳:畑中麻紀、森下圭子 出版社:フィルムアート社 2021.10 初版 637p
新刊書籍