ランス中西部の小さな町セリイ。そこで木靴職人の子として生まれた作家フィリップの傑作短篇集。
「わずかな枚数のうちに人生の断面が、いやときには一つの人生がみごとに描き出されている。貧困、不幸な恋、病気、老年、死-こうした暗い題材を扱いながらも、フィリップはどこかにとぼけたようなおかしみ、人生そのものの諧謔をしのびこませるのを忘れない。そのエスプリというか奇妙なやさしさ、人生を低い視点から、狭く限って、鋭く眺める、そこが日本人の感受性、美意識に合ったのではないか」(山田稔)
小さな町セリイを舞台にした短編集28篇の全訳に『朝のコント』からの5篇を付した改訳決定版。
みすず書房の大人の本棚シリーズ
絶版
著者:シャルル=ルイ・フィリップ 訳:山田稔 出版社:みすず書房 2004 3刷 ソフトカバー 258p
C(カバーヤケ/帯)