なみなみと注いで倒す　後悔はコップが失くす量と仲良し

外側に円を一本ずつふくらませて隙間を塗ったらひとつ

ぬれた手を紙にあてると伝わってうまれるシミが手よりもひろい

ＩちゃんはＩちゃんが怖いＩちゃんはケーキで無罪を祝うのが日課

青空をさえぎるものが瞼ではないとき距離に手が差し込める

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天賦の才を持つ人というのはやはりいるのだろう。
出会ってしまった、という衝撃が凄まじい。
全く違う世界からやってきた短歌、そして人という感覚。
「ナナロク社　第１回 あたらしい歌集選考会」で、岡野大嗣 選として、刊行が決まった森口ぽるぽによる第一歌集。
みなさんも是非出会って欲しい。
あっと驚く造本は名久井直子。