”人はなぜ小説を書くのだろう。なぜ小説を読むのだろう。
決して場所にたどり着くことはできないのに。”
本を読めば、世界は広がる。だけど、そう、「同じ場所にたどり着くことはできない」のだ。
人々は個人的な営みをさも人類の喜びのように拡散している。
著者わかしょ文庫さんはそういった世界から一歩離れて個人的な営みを続ける。
本を読み、そしてその舞台や背景を訪れる。
終わらない読書と終わらない旅。そうして著者は世界に足跡を残していく。
本書で取り上げた作品と場所]
◎笙野頼子『タイムスリップ・コンビナート』〔海芝浦〕◎永井荷風『濹東綺譚』〔東向島〕 ◎古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』〔犬吠〕◎後藤明生『挾み撃ち』〔蕨、上野、亀戸、御茶ノ水〕◎太宰治『富嶽百景』〔河口湖〕◎高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』〔金沢文庫〕◎宮沢賢治『銀河鉄道の夜』〔馬喰町〕◎尾崎翠『第七官界彷徨』〔池上〕◎大江健三郎『万延元年のフットボール』〔産業道路〕◎牧野信一『ゼーロン』〔高輪ゲートウェイ〕◎ポール・オースター『ムーン・パレス』、ベン・ラーナー『10:04』、スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャッツビー』〔ニューヨーク〕◎猫田道子『うわさのベーコン』、ボルヘス『バベルの図書館』、夏目漱石『夢十夜』〔???〕◎小森健太朗『大相撲殺人事件』〔両国〕◎藤子不二雄Ⓐ『まんが道』〔落合南長崎〕◎トム・ジョーンズ『ロケットファイア・レッド』〔大井町〕他
著者:わかしょ文庫 装画:高田綾菜 装幀:コバヤシタケシ 発行:代わりに読む人 2021 初版 ハードカバー 200p
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