”誰かがしんどい思いをしているときは、そのつらさを掬ってみる。心が揺らいでいた頃の危うさとか、泣くまいと耐えていた日々のことを慰める。濁っていた気持ちがみるみるうちに澄んで、思い切り悲しんだり泣いたりできるはずだ。言葉が寄り添うだけで、救われた気持ちになる。わたしには話を聞くことしかできないかもしれないけれど、つらさやしんどさに眼差すことはできる。話すだけでも楽になるから、と背中を押してみる。”(野崎さんのこと)
「常識のない喫茶店」が大変好評な僕のマリさんの私的なエッセイ集。
喫茶店に至るまでの人生。
家族や友人、もう会えない人。
水を飲むように記憶を辿り、自らを潤すように思い出を綴る。
変わっていく自分を確かめながら、自分を救うために書き切った色褪せない一冊。
帯に植本一子さん。
本人の思い出に寄り添うような写真は品子さん。
発行は千葉は幕張の本屋lighthouseさんから。
〈目次〉
まえがき
生活
注意力散漫
愛を飼う
きょうだい
緘黙のファンファーレ
青さと音楽
野崎さんのこと
ほろ酔い
終わりのない友情
いままでのこと、これからのこと
お母さんへ
あとがき
著者:僕のマリ 発行:本屋lighthouse 2021 初版 B6変形 仮フランス装 128p
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