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アメリカ日系社会の音楽文化 越境者たちの百年史

「アメリカ日系社会の音楽文化は、日本の音楽文化ともアメリカ主流音楽文化とも異なるものだ。その生成と変遷の歴史は、日本人移民とその子孫たちが、彼らを取り巻く状況に対し、音楽を通じていかに関わり行動を起こしてきたか、という歴史的運動に他ならない。」(序章より)

戦前から戦後にかけて、移民としてアメリカ合衆国にわたった「日系人」たちは、そこでどのようなコミュニティを形成し、新たに自分たちの音楽や舞踊を生み出したのか。日本の伝統文化とアメリカ社会の根源を掘り返す浩瀚な研究成果。
女性たちの活躍、強制収容所での芸能、家元制度、日本舞踊や打楽器の受容から日本語の喪失まで、南カリフォルニアを中心に文献資料をくまなく踏査し、貴重な聞き取り調査を駆使した類書のない文化史。

第1部  日系音楽文化史
第1章  移民から太平洋戦争まで──日本文化の移植とアメリカ文化の受容
第2章  強制収容所の音楽・芸能──葛藤と平和への希望の中で
第3章  太平洋戦争後──新移民、新世代とともに変わる文化

第2部 日系音楽文化の考察
第4章  エスニック・マイノリティとしての日系人の音楽
第5章  南カリフォルニアの日本音楽・芸能における家元制度
第6章  南カリフォルニアの日本伝統音楽における音楽と言語
第7章  日系人の音楽における文化融合
終章  日系音楽文化百年史の俯瞰

早稲田 みな子【著】
1966年、東京都に生まれ、神奈川県に育つ。
カリフォルニア大学サンタバーバラ校大学院民族音楽学博士課程修了(Ph.D.)。現在は、国立音楽大学教授。専攻は、音楽民族学、アメリカ日系音楽文化。
共著に、『日系文化を編み直す――歴史・文芸・接触』(2017年)、『民謡からみた世界音楽――うたの地脈を探る』(2012年、以上ミネルヴァ書房)などがある。

著:早稲田みな子 出版社:共和国 2022.3 ハードカバー 553p
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