精神科医中井久夫、初のエッセイ集。
1992年発表。
一精神科医として、日々患者の治療に携わってきた著者は、折りにふれて、みずからの思いを文章に書きつけてきた。自分の棲む街・神戸のこと、人との出会いと別れ、訪れた土地や自然、子ども時代の思い出、それに医療や教育、社会問題等々。
その一文一文には、昭和一ケタの最後の世代に生まれ、時代の絶望と希望を体現してきた著者のやさしさと強さがある。精神科治療の現場の緊張感の持続とそこからの解放感が、非凡な文学的才能とみごとに融けあっている。中井久夫が紡いだ初のエッセイ集を、ここにおくる。(みすず書房)
著者:中井久夫 出版社:みすず書房 1992 初版 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm 336p ハードカバー
B(帯付)