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new引き出しに夕方をしまっておいた

回復に導く詩の言葉

ある
夕方遅く 私は
白い茶碗に盛ったごはんから
湯気が上がるのを 見ていた
そのとき 気づいた
何かが永遠に過ぎ去ってしまったと
今も永遠に
過ぎ去っているところだと

ごはんを食べなくちゃ

私はごはんを食べた
(ある夕方遅く 私は)

2013年に韓国で刊行され10万部のベストセラーになったハン・ガンの詩集。
小説を書く一方で発表を念頭に置かずに1992年から2013年まで書き留めていた。
永遠とも一瞬とも言える夕方の時間を自分の声と重ね、言葉にし、詩に紡いだ。
ブッカー国際賞受賞作家の最も「個人的な」言葉。

翻訳家きむ ふなと斎藤真理子の共訳
巻末には「対談 回復の過程に導く詩の言葉──訳者あとがきにかえて」を収録。
編集はアサノタカオ。


著者:ハン・ガン(韓江)
1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文学科卒業。
1993年、季刊『文学と社会』に詩を発表し、翌年ソウル新聞の新春文芸に短編小説「赤い碇」が当選し作家としてデビューする。2005年、中編「蒙古斑」で韓国最高峰の文学賞である李箱文学賞を受賞、同作を含む3つの中編小説をまとめた『菜食主義者』で2016年にアジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞する。邦訳に『菜食主義者』(きむ ふな訳)、『少年が来る』(井手俊作訳)、『そっと 静かに』(古川綾子訳、以上クオン)、『ギリシャ語の時間』(斎藤真理子訳、晶文社)、『すべての、白いものたちの』(斎藤真理子訳、河出書房新社)、『回復する人間』(斎藤真理子訳、白水社)などがある。

著者:ハン・ガン 訳:きむ ふな・斎藤真理子 出版社:クオン 2022 初版 ソフトカバー 189p
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