”被害者遺族はこうあるべき”といった世の中の「大きな物語」に抗い、
「わたしの物語」を取り戻し、魂の再生へと向かう軌跡の書
著者は「世田谷事件」の遺族であり、上智大学グリーフケア研究所非常勤講師として、悲しみにある人々に寄り添う活動を続けている入江杏さん。
突然の喪失によって悲しみに暮れる家族。更にその悲しみに蓋をする「恥」の意識と沈黙を強いる「スティグマ (負の烙印)」。
入江さんは残された家族や心ない報道、周囲の偏見や差別の中で、スティグマそして悲しみと怒りに向き合い「個」としての自分を語り始めます。そうして世界が拓かれていく。
人間の尊厳を問う一冊です。
鷲田清一、平野啓一郎推薦
著:入江杏 装画・挿絵:阿部海太 出版社:小学館 2022 ソフトカバー 283p
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