あるコミック作家の家。
夫が仕事を中断し居間に出ると階上から妻が「今何時?」と声をかける。
「1時15分だよ」と腕時計を夫は見る。
そして夫は冷蔵庫を開けるが何を探しに来たのか忘れてしまう。
何かに気を取られ、目的を忘れてしまうことは誰にもあること。
この単純な1つのストーリーを99通りのコミックで描く。
視点を変え、コマを変え、人物を変え、線を変え、台詞を変え。
レーモン・クノー「文体練習」への完璧なオマージュ。
創作のヒントになることは間違いありませんが読むだけでも本当に面白い。
著:マット・マドン 訳:大久保譲 出版社:国書刊行会 2006初版 ソフトカバー 222p
B(帯付)