第59回現代詩手帖賞
あたしたちは
ひとりのこらず
うしなわれていく
未来のほうからやってきた
(「なんかでてるとてもでてる」)
ひゃくまんとおりのたましいが
いきばをなくして
みをよせあっている
ひゃくまんとおりのうでが
くつじょくをそらへ
つきあげている
ひゃくまんとおりのくだが
かなしみをむねに
すいあげている
(「ひゃくまんとおりのたましい」)
古くからの当店のお客様はご存知かもしれません。
小説を書いていた蜆さんが詩人になりました。
目から耳へ、揺らぐ身体。
表音文字であるひらがなを駆使し、滑稽なまでの人間を描き出します。
みたこともないしーをくりだす蜆シモーヌの、にゅーばらんすな第1詩集。
装幀=中島浩
著者:蜆シモーヌ 出版社:思潮社2022 ソフトカバー221p
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