”僕は映画館の暗がりの中で多くのものごとを学んだし、それらは後日小説を書く上でもずいぶん役に立ってくれたような気がする。暗がりに感謝。”
（序文「映画館の暗がりの中で」より」
早稲田大学在学時の村上春樹は、よく演劇博物館を訪れ、まだ見たことのない映画のシナリオを読んでいたという。音楽と並びこの小説家に多大な影響を与えた映画を巡る旅。
通っていた映画館、読んでいたシナリオ、作中に登場する映画、そしてもちろん映画化された作品の資料（イ・チャンドン、濱口竜介インタビューなど）も豊富に掲載。
白眉は巻末の「村上春樹著作登場映画リスト」。著作に登場する膨大な量の映画タイトルを網羅。
早稲田大学演劇博物館によるこの秋（2022年）の企画展「村上春樹 映画の旅」 公式図録です。
書き下ろしエッセイ「自分自身のための映画」収録。
第1章 映画館の記憶
第2章 映画との旅
第3章 小説のなかの映画
第4章 アメリカ文学と映画
第5章 映像化される村上ワールド
［論考・インタビュー］
■村上春樹における映画と文学の交流
アーロン・ジェロー（日本映画史、メディア史)
■サブカルチャーとしての村上春樹と自主映画
⻑谷正人(映像文化論、文化社会学)
■平原の竜巻、草原の井戸 村上春樹のメタファーにおける可視性と不可視性
�眤縞�生(英米文学・文化、比較文学/表象文化論)
■〈私〉が消えて物語がはじまる 村上春樹とアメリカ映画
小澤英実(アメリカ文学・文化)
■村上、クレショフ、映画 モンタージュについて
木原圭翔(映画研究、テレビ論)
■村上春樹と濱口竜介とやつめうなぎ 映画『ドライブ・マイ・カー』における複声性をめぐって
岡室美奈子(テレビドラマ論、現代演劇論）
■見えるものと見えないものについて観客に問いかける
［インタビュー］イ・チャンドン(映画監督、『バーニング 劇場版』)
■「旅」を経験する身体
［インタビュー］濱口⻯介(映画監督『ドライブ・マイ・カー』)
■「非日常のトンネル」をくぐり抜けて 村上春樹と映画の「反編集作業」
川��佳哉（映画研究、表象文化論）
［資料］
村上春樹作品年譜
参考文献
村上春樹著作登場映画リスト
展示リスト
監修：早稲田大学坪内博士記念演劇博物館 ソフトカバー 200p
新刊書籍
