どこからが銀座なのかを尋ねてもべろんべろんの有楽町だ
歌人に勧められたこの歌集、とても良いです。
山階基第一歌集。
素晴らしい装幀も本人によるもの。
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ほっといた鍋を洗って拭くときのわけのわからん明るさのこと
菜の花を食べて胸から花の咲くようにすなおな身体だったら
三基あるエレベーターがばかだからみんなして迎えに来てしまう
ないような夜と海とのあわいからちぎれる波に洗われていた
夕闇にしずむこの世のおみやげに吊るしたシャツは風が抱き取る
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心にふれる、という言葉がこんなに似合う歌はないと思う。
──東直子(歌人)
もといくんの歌集の中で暮らしたい ゆくてのシャツを乾かしながら
──枡野浩一(歌人)
2010年から2019年までの短歌作品346首を収録。
著者:山階基 発売:短歌研究社 2021 第二版五刷 四六判変型 ソフトカバー 152p
新刊書籍