危機の時代の勝者や生存者によって描かれた歴史ではなく、歴史の泥沼に沈んだ打ち捨てられた人間を語る。地べたに捨てられたものをじっと見つめ、知に至り、それを拾い上げる。
こぼれ落ちた断片の生が、大きな物語に回収されないように。
戦争体験者の言葉、大学生への講義、語り手と叙述……。
研究者である自身に問いかけながらの試行錯誤と、思索を綴るエッセイ。
プロローグ ぎくしゃくした身振りで
1章 パンデミックの落としもの
2章 戦争体験の現在形
3章 大学生の歴史学
4章 一次史料の呪縛
5章 非人間の歴史学
6章 事件の背景
7章 歴史と文学
エピローグ 偶発を待ち受ける
著:藤原辰史 出版社:講談社 2022 ソフトカバー 202p
新刊書籍