奴隷制時代から南北戦争、公民権運動をへて真の解放をめざす現代まで。アメリカ黒人の歴史とは、壮絶な差別との闘いであり、その反骨の精神はとりわけ音楽の形で表現されてきた。しかし黒人音楽といえば、そのリズムやグルーヴが注目された反面、忘れ去られたのは知性・暗号・超絶技巧という真髄である。
黒人霊歌からブルース、ジャズ、ファンク、ホラーコア、ヒップホップまで、驚異と奇想のワンダーランドへの招待。
これは歴史ですが、文学であり、詩であり、そしてやはりアメリカ黒人の精神史です。
宇川直宏、いとうせいこう推薦。
第1章 黒人霊歌という記号
第2章 「鳥獣戯画」ブルース
第3章 ジャズとアウトサイダー アルバート・アイラーの霊性
第4章 詩人ジャズマン 土星人サン・ラーの「無」
第5章 Pファンクの宇宙 道化とてのジョージ・クリントン
第6章 ホラーコアの解剖学
第7章 テクノロジーとしてのヒップホップ
著:後藤護 出版社:中央公論新社 2022 初版 ソフトカバー 368p
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