トラウマ的な出来事を経験した人びとにとって、文学や文化は生きのびるための表現となりうるのか――
多和田葉子、李琴峰、古谷田奈月、森井良、林京子、大江健三郎、岩城けい、小野正嗣といった現代作家の作品を丁寧に読み解き、物語を受けとるという営みとは何か、小説と読者が出会うとはどういうことか、それにクィア・フェミニズム批評はどうかかわるのか、自身の経験とときに重ね合わせながら文学や文化の力を見出していく。
著者初の単著にして400ページを超える大書ですが、自らの傷ついた経験を語りながら対話の可能性を探る姿勢が力強い文体となって眼前に広がります。
多和田葉子推薦。画期的文学論の誕生です。
著:岩川ありさ 出版社:青土社 2023 3刷 ハードカバー 475p
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