夜 街路 街灯 薬局
無意味で ぼやけた光
あと四半世紀 生きても
なにも変わらない 出口はない
死ぬのなら また初めから始まる
すべては繰り返す 昔日と同じに
夜 凍てつく水路の さざなみ
薬局 街路 街灯
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『夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く』で第32回紫式部文学賞を受賞した奈倉有里の原点の書。
本書では紫式部賞の快挙に続き2022年度サントリー学芸賞を受賞しました。
神秘的な世紀末から革命の大火まで、ときに麗しの貴婦人の騎士、ときに人生を燃やす狂気の人、ときに混沌と死の体現者として、激動のロシア社会を歌った詩人ブローク(1880-1921)。そこには童心を胸にあらゆる枠組みをはねのけ無効化しようとする闘いと、思想や倫理を超えた「火の詩情」を希求しつづける夢があった──。折々の詩を交えつつブロークの生涯を最新の伝記研究に基づいて描き出すとともに、同時代の批評との関係も踏まえながらその詩学の核心に迫る本格的評伝。
著者:奈倉有里 出版社:未知谷2021 初版 ハードカバー 414p
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