誰かのことばで覆い尽くされた世界は息苦しいけれど、私たちは流転のなかにいるのだから、
きっと雲が晴れるようにそこここでことばは欠け、ことばの意味もあちこちで欠けて、風が入ってくるはずだ。
その風について正確に書き記すことができたら、もしかしてそれは詩なのかもしれない。
(「意味の明晰な欠け方について」より)
"会社を辞め、身ひとつで詩を書いて生きることにした。"
言葉に翻弄されつつも、言葉に勇気づけられる。
詩人大崎清夏のエッセイと初の小説を収録した希望の書。
言葉を包み込まんとする佐々木暁の装幀も素晴らしい。
穂村弘推薦。
著:大崎清夏 出版社:リトルモア 2022 初版 ソフトカバー 214p
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