アイルランド人フォトグラファー、リチャード・モス（Richard Mosse）の作品集。
アマゾンの熱帯雨林の破壊に警鐘を鳴らすため4年をかけて制作された。

広大なアマゾンを舞台にその地形学的なもの、人間の破壊行動、多様な生態系の記録を数多の写真技術を駆使して制作された。
フィルムカメラ、蛍光顕微鏡、赤外線、空撮、衛星画像技術を模したマルチスペクトルカメラ、紫外線による植物学的研究など写真表現の限界を押し広げたものが一つの作品に収められる。
生き残りをかけた先住民の戦い、ほんの一握りの金のために川全体を汚染し破壊する違法な金鉱夫、国際的な肉や皮の市場で売るための牛用の牧草地を作るべく原生地域を故意に焼き払うブラジル人カウボーイなど思わず目を背けてしまうものもあるが、人間と人間の作り出した文明の持つひとつの悲劇的な側面を表している。
衝撃的な一冊。