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田村隆一詩集 1946〜1976

たぶん帰りは遅くなるだろう
おれはそう言って家を出た
おれの家は言葉でできている
古い戸棚には氷河が
浴室にはまだ見たこともない地平線が
電話からは砂漠と時間が
食卓の上にはパンと塩と水
水のなかには女が住んでいる
女の眼球からヒヤシンスの花が咲いている
女もまた暗喩そのものである
女は言葉が変るように変るものだ
女は猫のようにきわめて不定形だから
おれにはその名前さえ知るすべがない
(人間の家)


戦後1946年から本書から発行される直前1976年までの田村隆一の全詩集です。

付録エッセイ
鮎川信夫
篠田一士
谷川俊太郎
安藤元雄
吉増剛造
飯島耕一


著:田村隆一 出版社:河出書房新社 昭和52年 再販 布上製/函 324p
C

状態
状態について
A :
新品同様
B :
汚れや痛みなどが少なく、古書としてきれいな状態
C :
古書として標準的な状態
D :
汚れ、傷みあり

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販売価格
1,320円(税込)

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