”ずっと、自分を守るために母を避けていた。家族を諦めたくなかった。母に愛されてきたことや母を愛してきたことまで、否定しないで生きられるようになりたい。悪いことも良いことも、どちらもいまのわたしを作った、かけがえのない経験だと思えるように。”

二人の母と共働した二つの作品――実母とともにテントを制作した日記と、パートナーの母とともにタープを制作した写真家長島有里枝の日記。
文芸誌「すばる」とKIITOアーティスト・イン・レジデンスの成果報告として発表されていた二つの日記が加筆修正され一つの本になりました。
針を手に、複雑な感情を抱いた母親と「仕事」をする。母娘の関係はどう変容していくのか。
家庭、フェミニズム、創作活動、あらゆるテーマが絡み合い、心身共に読者を揺さぶる女たちの物語。
写真21点収録。