部屋の中、根のない花たちはどんなに手を尽くしても数日から数週で枯れるけれど、
彼らは彼らの時間で生きている。
人の時間と亀の時間と猫の時間が違うように、花の時間でそこに居る。

うちに来てくれて、ありがとう。
あなたたちはいつも美しい。
自分以外の存在がそこにいてくれることで、これまでどれだけ救われたかもしれない。
花たちへ贈るように、美しさを残したいと思って、私は写真を撮っている。
（あとがきより）

赤木遥の私家版写真集。
あとがきはもっと長いのだけれど、赤木さんがなんでいつも花を撮っているのか分かった気がする。花の写真集は数多あるけれど、この本には本当に驚かされた。
本の体裁とは言え、全て綴じなし、写真は全て貼り込み、手に取ると花びらみたいに脆く、美しく、手を離すと風に乗って散り散りになってしまいそうだ。箱は上から挿す仕様。
花や写真が生活の中にあるのが何よりも良い。と僕は思う。

100部限定
オリジナルプリント1点付き
デザイン：島田耕希　小島沙織