生き死にの外なるものの美しさトパアズ色に香水は澄み
「輪郭のないものばかりうつくしい」水辺に春のひかりながれて
スカートの裾ゆつたりと捌きつつ春のねむたき坂くだりゆく
手を頬にあててしづかに聞きくれぬ頷くときに翳る横顔
髪ときて目を瞑りたり眠りゆく己が姿を誰も知りえず
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歌人、そしてフランス文学者でもある菅原百合絵の第一歌集。
静かに、魂に触れる歌。
東京、ジュネーヴ、リヨンで過ごした十年の間に生まれた歌から三三三首。
須山悠里の装幀も素晴らしい一冊。
著者・Author : 菅原百合絵 出版社 publisher:書肆侃侃房 2023 2刷 ハードカバー 143p
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